理事長挨拶

 現在、日本の医療は様々な診療・治療を支える医療技術においても、保健医療システムにおける健康達成度においても、世界でも高いレベルにあります。その医療技術、システムを求める海外諸国に提供、移転する国際協力は今まで様々なチャンネルを通じて行われてきましたが、日本の学術機関と行政が補助金を原資として行う活動には時間的制限があり、なかなか現地に定着し実を結ぶところまではいかないのが現状です。
 一方で日本の医療は、緩和医療や介護、社会的サポートを含めた全人的なケアに関しては、いまだ発展途上であり、各領域を横断しながら最適な連携体制をマネージメント可能な人材、システムの不足が大きな問題となっています。これを国際的交流の中で先行する欧米のシステムに学び、常に最先端の情報を収集しフィートバックすることで、専門分野の質を高め、新たな集学的治療の可能性を広げる必要があります。しかし実際の医療現場においては、その機会を各個人、各医療機関が得るためには大きなハードルがあります。
 これらの問題点を打破するためには、従来のシステムに民間企業の活力を有機的に結合させて財政面で持続可能なものにする必要がありますが、現在の医療活動の様々な利益相反に対する厳しい目が向けられており、各学術機関、医療機関は例え国内外の公的な健康と福祉を発展させる活動に対しても、活動が制限されています。

  我々は、この状況を打破し、現在のシステムのネットワークの不足している部分を補填する活動活動を行うために、特定非営利活動法人国際健康福祉センター(NPO IHWC: Non-Profit Organization International Health and Welfare Center )を設立いたしました。

「国際健康福祉センター」は、広く国内外の一般市民の皆様に、領域横断的に最善の診断法・治療法を含めた集学的治療、緩和医療や介護、社会的サポートを含めた全人的なケアなど、あらゆる医療福祉サービスを提供する体制を確立するために、行政、医療機関、民間企業の駆け橋となり、国内および海外における人材交流を通して、グローバルな視点を持ち各領域を横断しながら最適な連携体制をマネージメント可能な人材の育成、財政面で持続可能な日本発の領域横断的医療システムを構築することを目的としています。


特定非営利活動法人 国際健康福祉センター
理事長
  板野 理